「気分が上がる投球練習用品を作りたい」という想い
フィールドフォースが運営する室内練習場ボールパークは、全国に4拠点(2022年9月現在)あります。
その中の一つボールパーク旭川に勤務し、日々子ども達へ野球の指導をしている柴田が『気分が上がって、調子も上がる商品を作りたい!』と〝音″に着目してピッチング練習用品を開発しました!
私も子どもの頃に住んでいたマンションに、ボールを投げてもOKなコンクリートの壁があったので、チョークでストラックアウトみたいに番号を書いて永遠と投げて遊んでましたよ♪
特に子ども達はいつも同じ練習だと飽きて集中力もなくなっちゃうし…
試しにどんな商品が良いか手作りでイメージを形にしてみたら?
やっぱりそうですよね!
一人でもキャッチャーと練習しているようなワクワクする気持ちで投げ込める商品を目指します!
このような的で『バチーンッ』という音を鳴らしたいです。
この白い手作りサンプルはテントの屋根に使う素材を重ねています。
実際にボールを投げてみたんですけど、ちゃんと的に当たると結構良い音が鳴ります!
OK!イメージはわかった!
工場にある素材で〝音″を鳴らせる方法を考えよう!
少し難しいぐらいが面白い!
テント生地を重ねた手作りサンプルは非常に良い音が鳴りましたが、この硬い生地を数枚重ねて縫製する方法では強度が維持できないという問題点が発覚しました。
全力で投げたボールが当たって「ビリッ」と破れてしまってはいけないので、縫製に適した素材でどう音を鳴らすか?という点を何度も何度も議論しました。
全体的には縫製に強い生地を使い、ポケット状にした中に音が鳴る素材を入れる
この方法が最適ではないかと意見がまとまり、いよいよ商品のイメージも固まってきました。
次に検討しなくてはいけないポイントは…
音が鳴る範囲は?
全体の大きさはホームベースに合わせてよりストライクゾーンをイメージできるのが良いのではないか?
ストラックアウトのようにマスがあった方が良いのではないか?
さらに中心は色を付けたほうが良いのではないか?
全体サイズに対して23∼25cm四方を音の鳴る範囲にするのが良いのではないか?
より効果的なピッチング練習にするために、ストライクゾーンを9分割したいです!
でもそうしたらピッチャー専用のイメージになっちゃう。
これは野手の送球にもすごく良い練習になるよ!
野手も使うとなると、ターゲットの大きさはやっぱり大きめの方が子ども達にとっては当たりやすくて、楽しく練習できるんじゃないですかね?
商品開発のポイント!
簡単すぎる商品は面白みに欠けるということも考えてみよう。
『少し難しいぐらい』の商品を開発することが大事なポイントだよ!
やっとサンプルが完成!しかし…
全体は布製の生地で、ポケット状にした中心部分には23cm四方のポリエチレンシートを差し込みました。
この方法によってシートのある部分に当たれば『バチンッ』と高い音が鳴り、周りの布部分にあたると「ボス」という小さく低い音しか鳴りません。
さぁ!恒例の強度テストへ
イメージ通りの形になったら、次に必ず行う事が強度テストです。
商品を販売してもすぐに壊れてしまったら元も子もありません。
フィールドフォースの商品開発では1000回の強度テストを行う事がルール化されています。
そしてどんなカテゴリでも1000回のテストをクリアした商品のみが正式に販売開始されます。
結果:強度不足…
軟式ボールを全力投球!!!するとポケット部分の縫製が切れてしまいました。
こうなってしまったら、また諦めずに素材の検討から再出発です!
全力で投げられる素材があった!
フィールドフォースはバッティング練習用品のイメージが強いですが、守備練習系の商品も多数販売しています!
守備系の中でも人気の≪壁ネット≫の生地は、縫製にも強く全力投球もできる最適な素材です。
さらに、前回のサンプルの反省点を活かし、ポケット部分の形状も変更しました。
ポケット部分のみを二重にするのではなく、全体を二重にしてシートの幅を縫製で仕切ることで、ポケットだけが独立せず全体の強度が格段にUP!
1000回の強度テストもクリア
バチーーンッ!
キャッチャーが捕球しているような良い音が鳴るから、気分も上がって調子も上がるよ!
子ども達にも大好評
日々ボールパーク旭川で子ども達と接し、野球の指導をしている柴田が企画した商品だからこそ、実際にサンプルを使い練習をした子ども達からも大好評です!
苦労もありましたが諦めずに改良を重ね…
完成した商品の名前は…
音鳴るターゲットシート!
どんな音が出るの?
軟式球でもご使用していく過程で、破損や破れが見られたときは、安全のためにも買い替えをお願い致します。
心から子ども達のことを考えている野球用品メーカーの社長そして社員達の商品開発への挑戦は終わることなくこれからも続きます・・・
僕自身、ピッチャーだったので子どものころから壁にチョークでストライクゾーンを書いて『狙って投げる』という練習をやっていました。
でも…一人で壁などに投げていてもつまらないし、退屈でした…(泣)