グラブ工房長が設計から手掛けたこだわりのトレグラ
平裏縫製時(グラブの内側の手を入れる部分)には脱力した自然な手入れ感を追求しており、この形をベースにトレーニンググラブが出来るのではないかと考え開発を決めました。
あれ?これを改良すればトレーニンググラブになるかも?
これはなんですかッ?
新しいトレーニンググラブのサンプル、試してみて!
しかも材料はグラブの生産には使えない部分の革を使用してるんだ!
強度は全く問題ないよ!
そうなんですね…使えない部分の革は捨てる事が多いって聞いてたので、捨てる革が減るのも良いですね!
傷とかも入っていて、なんかカッコいいっす!
早速使ってみます!!
グラブに使う革の『端材』って?
多くの野球のグラブは牛の革でできています。
1頭分の牛を半分にした半裁と呼ばれる革から約4個のグラブ作ることが可能です。
しかし牛も生き物なので、生きている間の擦り傷や虫刺されの痕、伸びた部分など・・・
傷やシワがある部分もあります。
その部分は見た目の問題でグラブ製作では使用されず、廃棄されてしまうことがほとんどです。
この廃棄されてしまう部分を『端材』と呼んでいます。
そしてグラブ工房長の篠原はSDGsの考えが普及していることもあり、グラブに使えないからといって廃棄するのではなく、この端材と呼ばれる部分を使ってトレーニンググラブを開発することを決めたのです。
ファーストサンプルからの改良
少し痛いですね!
軟式でも硬式でもボールを捕るときにはしっかりと捕球面を向けたいので、もう少し硬さと安心感が欲しいです!
平ら過ぎて手がピンと開いてしまうので、もう少し丸みがあると良いというか…
はめた時に自然と脱力した手の形になると良いです!
さすが!内野手の意見だね!
ありがとう!早速改良するよ!
ファーストサンプルからの改良点
捕球面に補強をし、厚みも1.0mmにして捕球時の痛さを軽減
手の甲のバンド部分をボタン式に変更しサイズ調整を検討
指先も丸くして引っ掛かからずスムーズな捕球ができるように
ウェブの先端に切り込みを入れて柔軟性が増し、捕球範囲も拡大
それでもセカンドサンプルも改良の余地あり
まだ痛いですね…。硬式球を捕ると手が腫れそうです(笑)
あと指かけが調整できるともっとフィットして扱いやすくなると思います!
はめた感じはとってもいいです!!
ただ子どもから大人まで使うなら、バンド部分のサイズがもっと簡単に調整できる方がいいかもしれません!
そっか、まだ痛いか…。OK!!
捕球面の補強も厚くして、指かけとバンドも調整できるようにしてみたけどどうかな?
セカンドサンプルからの改良点
通常のグラブと同じタイプのバンド形状にし、レースを締めてサイズ調整可能に
捕球面の補強を厚くし、厚みは1.0mmから1.1mmに改良して硬式球でも衝撃を緩和
親指小指ともに指かけを取り付けて、一人一人に合わせた調整を可能に
硬さも十分!安心感ありますね!
やっぱり指かけがあった方がフィットします!
捕球する点が分かりやすいので、指導もしやすいです!
これめっちゃいいです!
脱力した捕球が出来ました!
よし!これで完成だ!
最初の設計から改良までこだわり抜いたトレーニンググラブだよ!
その名もフィールディングマスター
グラブ職人として
フィールディングマスターは私自身初めて、自分自身で紙型作成(設計)を行ったグラブです。
今までは協力工場と共同で設計や開発をしていた為、着手してから早々に形になりましたが、今回は初めての体験だったため、「どのようにしたら立体になるのか」「どの角度にすれば自然な手入れ感が生まれるのか」等々、多くの壁にぶち当たりました。
サンプルを作っては現役社会人野球選手の社員達に使用してもらい、意見をもらい、自らも使用して調整を繰り返し、やっと納得のいくこだわりのトレーニンググラブが出来上がりました。
とても思い入れの強い商品の1つです。
サイズ調整もしやすく子どもから大人まで使用可能なこのグラブは、程よい丸みがあり無駄な力を入れずに手にはめる事ができます。
そのため、脱力した自然な捕球動作が身につき守備力向上に超効果的なトレーニンググラブです。
革は天然物の為、牛が生きていた証である、自然な傷やシワがある事を改めて伝える事が出来るきっかけになった商品です。
フィールドフォース グラブ工房
〒121-0801 東京都足立区東伊興1-9-15
TEL 03-5809-5909 (営業時間:土日祝を除く9:00~18:00)
グラブ職人に相談をしながらグラブやミットのオーダー可能!
使用しているグラブやミットの修理も可能!
心から子ども達のことを考えている野球用品メーカーの社長そして社員達の商品開発への挑戦は終わることなくこれからも続きます・・・
キャッチングマスター(すでに販売しているトレーニンググラブ)の後継品をそろそろ考えていかないとなぁ~